早いものでもう4月も後半を迎え、来週からは、多くの人にとっては楽しい楽しい、一部業種の人にとっては死ぬほど忙しい「ゴールデンウィーク」に突入する今日この頃。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
突然ですが、ここで一句。
五月病 連休中から 対策を
実は、僕がまだ香川県で医者をやっていた頃、『健康川柳』というラジオ番組のパーソナリティを務めていたのですが、それこそ何年間にもわたってほとんど毎週のように、「健康」にまつわる川柳とトークとを捻り出す日々を送っていたことがあります。
「いつもいつも同じような挨拶ばかりでは、さすがに芸がないだろう」ということで、今回はちょっとその時代を懐かしみながら、久々に「健康川柳」を一句読んでみました(笑)
さて、5月というのは、毎年多くのやる気と希望に溢れる人々から元気や覇気を奪い去ってしまう“例の病”が多発する時期としてもお馴染みですが、ゴールデンウィークは、まさに「五月病」における“鬼門”であり、“旬”でもあると言えるでしょう。
4月から始まった新しい生活や環境に適応しようと頑張ったり、心機一転して新しく何かに挑戦し始めたりしている中で、知らず知らず張り巡らせていた緊張や溜め込んでしまっていたストレスから一気に開放された反動で、ちょっとした「燃え尽き症候群」のようになってしまう。
──というのが、「五月病」のざっくりとしたメカニズムだと言えますが、皆さんの中にも「五月病」になってしまった経験のある方は、きっと少なくないものと思います。
ちなみに、新社会人のだいたい半分くらいの方が、大なり小なり「五月病」を患うとも言われていますが、医者の世界における新人、つまり研修医に関して言えば、ほぼ全員が「五月病」に罹ると言われています。
つい1ヶ月とか2ヶ月前までは学生だったにもかかわらず、「医者」という肩書がついた途端、自分の両親、どころか祖父母くらいの世代の方々から敬われ、「先生、どうかよろしくお願いします」と切実な想いを託されるようになる訳です。
でも、自分自身はまだ医者としてほとんど「何もできない」ような状態なので、どうすればいいか、どう振舞えばいいかも分からない。
たった数ヶ月の間で起こる変化としては、本当に劇的だと思います。
実際、「医者が生涯を通じて経験するあらゆるストレスの中で、医者になって最初の3ヶ月に感じるストレスが最も強い」という研究報告もあるほどです。
さておき、ゴールデンウィーク中には、ついつい暴飲暴食がちになったり、完全に夜型の生活リズムになったりしがちなものですが、実は、こういった「生活習慣の乱れ」も、「五月病」の発症や悪化に拍車をかける要因の一つなんです。
ただでさえ気分が沈んで何もやる気が出ないような時に、のちに自己嫌悪に陥るような自堕落な生活を送れば、余計に気が滅入ってしまうのも、ある意味では「当然」と言えるのかもしれません。
とは言うものの、そもそも気を抜くと自堕落になりがちなのが人の「性」であり、そうそう完璧で在り続けられないのが人の「常」というもの。
それに、いつまでも「五月病には罹るまい」と気を張りつめ続けていたら、遅かれ早かれ“パンク”してしまうことは目に見えていますし、そうなってしまえば「五月病」に罹るよりも酷いことになってしまいかねません。
ですので、「ある程度だらしなくなってしまうのは許してあげよう」と、あらかじめ“開き直り”という名の“心構え”をした上で、ゴールデンウィーク中は、もう思い切って全力で息抜きを楽しんでしまえばいいでしょう。
そして、連休最後の数日間は、早寝早起きや健康的な食事などを心掛け、頑張って規則正しい生活を送ることで、連休明けの新生活に向けて準備と調子を整える。
そういったメリハリを意識的に作ってあげるのは、とても効果的だと思います。
なお、一般的に「五月病」は、「真面目」で「几帳面」で「完璧主義」な人の方が罹りやすいと言われていますので、特に新入生や新社会人の方などで思い当たる節のある方は、今年のゴールデンウィークは、今日お話したことをちょっと意識して過ごしてみてくださいね。
山城
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