『バファリン』の「やさしさ」の正体、ご存知ですか?

日記

 

『バファリンの半分はやさしさでできている』

 

おそらく日本で最も有名なキャッチフレーズの1つであり、きっと誰もが一度は耳に、あるいは口にしたこともあるかと思われますし、冗談交じりに「優しさはいらないから、半分お金返してくれよ」なんて軽口を叩く姿を見かけたことも、きっと一度や二度では済まないことでしょう。

ですが、皆さん。それだけ身近な話題の割に、その肝心の「やさしさ」の“正体”については、意外にご存知ないのではないでしょうか。

 

 

突然ですが、ここでクイズです。

 

Q.『バファリン』の“やさしさ”の正体とは、いったい何でしょうか?

 

 

   1.子を看病をするような献身的な愛情

 

   2.痛みを憂う開発者の純粋な真心

 

   3.家計への負担を想った良心的な価格

 

   4.商品を購入してくれた人への感謝

 

 

どれもこれも「開発秘話」として、それっぽいエピソードが“美談”として語られていそうな気配を感じる選択肢ばかりですが、皆さん、お分かりになりますでしょうか?

本日は、いつもとちょっと嗜好を変えまして、この一見ふざけているようで、意外に奥の深いようでいて、やっぱりどうでもいい割に好奇心をくすぐってやまない謎を解き明かすべく、ジャングルの奥地、ではなくドラッグストアにでも向かいたいと思います(笑)

 

 

さて、まずは『バファリンA』の商品情報を確認してみますと、この国民的な解熱鎮痛剤は、主に「アスピリン(アセチルサリチル酸)」と「合成ヒドロタルサイト(ダイバッファーHT)」という2つの薬剤から成り立っていることが分かります。

 

前者は、解熱鎮痛剤の中でも代表的なものの1つであり、「痛み止め」のお薬である『バファリン』にとっては、まさに“大本命”の成分だと言えるでしょう。

しかしながら、この「アスピリン」。解熱鎮痛の効果がテキメンではあるものの、「胃腸に負担をかけてしまう」という、消化器内科医としてはあまりいただけない副作用もあるのです。

 

 

そこで、満を持して登場するのが「合成ヒドロタルサイト」。

胃酸を中和し、胃の粘膜を保護する効果のある「合成ヒドロタルサイト」を併せることで、「アスピリン」の持つデメリットの最小化を図っているという訳です。



ここまで聞けば、もうお分かりのことでしょう。

そうなんです。実は『バファリン』の言う“やさしさ“の正体とは、「胃腸に対する思いやり」のことであり、つまり「合成ヒドロタルサイト」のことだったんです……!!

 

 

という訳で、冒頭に出したクイズの答えは、

 

A. 合成ヒドロタルサイト

 

 

ということになります。

 

『選択肢の中に正解がなかったじゃないか!』と怒り心頭の方に弁明させていただけるならば、「副作用に伴う痛みに苦しまないように」という意図で配合された成分であることを思えば、【2】番の回答が正解と言えるかもしれませんね。

──なんて、軽やかにお茶を濁してみたところで、皆さん今日は、ぜひこの“真実”だけでも覚えてから、穏やかな気持ちでブラウザをそっとお閉じになってくださいね。

 

 

ちなみに、製品の公式サイトで『バファリン』の成分表をよくよく見てみると、

 

成分(2錠中)

 

  ・アスピリン(アセチルサリチル酸)… 660mg

 

  ・合成ヒドロタルサイト(ダイバッファーHT)… 200mg



と書いてあるのですが、ちょっと “おかしい” 点に気が付きませんか……?

 

そう、本当に『バファリンの半分がやさしさ』であるならば、「アスピリン」と「合成ヒドロタルサイト」との配合比率は「1:1」でなければおかしいはず。

にもかかわらず、実際の比率は「3:1」となっているのです。

 

つまり、この圧倒的な“事実”に基づくならば、

 

 

『バファリンの半分はやさしさでできている』

 

 

ではなく、

 

 

『バファリンのおよそ3分の1はやさしさでできている』

 

 

と言うべきであり、知らぬ間に我々は、長きにわたって広告業界によって欺かれ続けていたのです……!!



──なんて、今日はとことん屁理屈をこねくり回して遊んでみましたが、いかがでしたでしょうか?

「いつも真面目な内容ばっかりじゃ、ブログを愛読してくださっている方も疲れたり飽きたりしてしまわないかな?」と思い、皆さんと僕の息抜きと気分転換とを兼ねて、こんな“雑談の極み”みたいな記事をお届けさせていただきました(笑)

 

ともあれ、皆さんもお薬はくれぐれも用法用量を守って、適切に使ってくださいね。

 

山城   

日記
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