数ある発酵食品にあって、とりわけ身近なものの一つと言える漬物。中でもぬか漬けやザワークラウトなどは、特に乳酸菌が豊富なことで知られていますが、「乳酸菌の含有量」に関して言えば、まさに“別格”と言えるほど図抜けた存在であるキムチ。
一般的なぬか漬けやザワークラウトの場合、1gあたりせいぜい「1億」個ほどであるのに対し、熟成の進んだキムチの場合、1gあたり「8~10億」個も含まれているというのだから侮れません。
ちなみに、キムチのあの強烈な「塩辛さ」は、実は乳酸菌に負けず劣らず豊富に含まれる「旨み成分」による所が大きいらしく、実際に含まれる塩分で言えば、むしろ漬物の中では少ない方に分類されるそうですよ。
──毎月23日が「乳酸菌の日」だということで、消化器内科医らしく乳酸菌について、ちょっとした雑学をお届けいたしました。
遅ればせながら、こんにちは。山城です。
さて今日は、嬉しいご報告があります。
かねてより水面下で制作の進められていたクリニックの「ロゴ」が、ついにこの度、“華々しく”完成を迎える運びとなりました!
下手にもったいぶって出し惜しみしていても仕方がないので、さっそくお披露目させていただきたいと思います。
それでは、ご覧ください!
このロゴは、僕の高校時代からの無二の友人であり、現在もクリニックの開院準備における中核メンバーとして陰から日向から支えてくれている安部ちゃんが、心を込めて制作してくれたものです。
浦添市の「市民の花」である『アリアケカズラ』の黄色い花弁を「太陽」に見立てて、浦添や伊祖の歴史を語る上では切っても切り離せない『英祖王』の敬称である「てだこ(太陽の子)」を表現してくれています。
『中心にある濃いオレンジの円は、「太陽のプロミネンスのように、いつまでも熱く情熱や信念が燃え続けるように」という想いを表現している』
という、熱い激励と優しい願いも込めてくれているらしく、本当に得難い友を得られたものだと、ひとり静かに胸を熱くしています。
──実は、このロゴ。ちょっとした“制作秘話”のようなものまであったりします。
それは、まだ安部ちゃんが、ロゴのデザイン案を練り上げていた頃のお話。
既にこの「アリアケカズラをモチーフにする」というアイデアは脳内にあったものの、どうにもしっくり来るデザインにまで落とし込むことができず、頭を悩ませていた安部ちゃん。
そんな折、「デザインのアイデアとひらめきを得るきっかけとなれば」と、多忙なスケジュールの合間を縫って“浦添探訪ツアー”を敢行した際に、英祖王の眠る地である「浦添ようどれ」を訪れることにしたそうです。
元々は「浦添ようどれ」そのものよりも、その目と鼻の先にある歴史資料館「ようどれ館」の方を、ツアーの“目玉”と考えていたそうなのですが、事前に開館状況をネットで調べてみたところ、ツアー当日はあいにくの休館日。
ですが、毛根から根こそぎ持っていかれる勢いで引かれる後ろ髪に導かれるようにして「浦添ようどれ」を目指していた安部ちゃんの目に飛び込んできたのは、本来ならば休館日であるはずなのに、何故かその日に限って開館している「ようどれ館」の姿でした。
もちろん、思わぬ幸運に驚きつつも、一も二もなく館に駆け込む安部ちゃん。
元々からして「歴史好き」ということもあって、歴史的にも貴重な展示資料を興味深く見ていく中で、どんどんインスピレーションを膨らませていく彼を待ち受けていたのは、いっそ「運命的」とも言える出会いでした。
実は、この「ようどれ館」には「浦添ようどれ西室」を、つまり「英祖王の眠る陵墓」の内部を実物大で復元した部屋があり、資料館における最大の目玉とされています。
その部屋の中には、英祖王のものと目される「石製の棺」を精巧に復元したレプリカも設置されており、その棺の表面には、グソー(あの世)での安寧を祈るためのモチーフが所狭しと彫られているのですが、その意匠の見事さに目を奪われる安部ちゃんの目に飛び込んできたのは、ふと“非常に見覚えのある形”。
何とも驚くべきことに、そこには当時の彼が考えていデザイン原案と瓜二つのモチーフがあったのです。
英祖王の存在に着想を受けて制作を開始したロゴのデザインが、その英祖王の眠る棺に彫られているモチーフと、ほぼ完全に合致する──。
この奇妙で運命的な符合に“確信”を得た安部ちゃんは、すぐさまデザイン案の練り直しに取り掛かり、探索ツアーを通じて膨らんだインスピレーションによる磨き上げの作業を経て、この“華々しい”ロゴとして完成に至ることとなりましたとさ。
めでたし、めでたし。
──この話を初めて安部ちゃんから聞いた時、何とも勝手ながら、英祖王にも応援してもらっているような気持ちになり、改めて開院に向けて奮い立たされたことをよく覚えています。
今回はロゴについてのお話でしたが、これから開院予定日がどんどん近づくにつれて、皆さんにお届けできるご報告も、こういった“裏話”的なエピソードも、きっとどんどん増えていくことになることと思われますので、楽しみにお待ちいただければ幸いです。
山城
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