胃腸内科
胃痛、胸やけ、胃もたれ、食欲不振、下痢、便秘といったごく身近で一般的な胃腸の不調から、逆流性食道炎やヘリコバクター・ピロリ菌感染症など継続的な治療の求められる疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病に代表される炎症性腸疾患などの難病まで、幅広く診療いたします。
また、胃がんや大腸がんの治療のほか、内視鏡検査による胃がん・大腸がんの早期発見、ポリープの切除にも対応いたします。
胃腸の病気
胸やけ 胸のあたりが焼けるような不快感
呑酸(どんさん) 酸っぱい液体がこみ上げ、ゲップをする
胸痛 胸が締めつけられるような痛み
のど 咳や喉の違和感、声がれ
これらの症状は酸逆流症状で、総称として胃食道逆流症(GERD)といいます。
そして、食道を内視鏡で見たとき、胃酸のために食道粘膜がただれ、炎症がある場合は「逆流性食道炎」と診断されます。
※ 粘膜の炎症を伴わない非びらん性胃食道逆流症(NERD)というタイプもあります。
心当たりのある方は、次のシートでチェックしてみましょう。
ピロリ菌とは
ピロリ菌が胃の粘膜に感染すると炎症が起こります。炎症によるダメージは、やがて胃の粘膜に萎縮(いしゅく)という、変化をもたらし、時間とともに胃全体に広がります
胃粘膜の萎縮は、胃液の分泌が低下の原因となるため、食べ物が消化されにくく、食欲不振や、胃もたれの症状があらわれることがあります。
ピロリ菌感染と胃炎・胃がんの連鎖
ピロリ菌が胃がんの原因のひとつであることは明らかになっています。
長年にわたる胃粘膜の炎症状態は、胃のポリープや胃潰瘍(かいよう)、そして胃がんを起こしやすい母地をつくっていきます。
ピロリ菌の診断と治療
ご注意
診断の流れ
STEP. 1 胃内視鏡検査
STEP. 2 検査(感染診断)
STEP. 3 除菌
STEP. 4 判定検査(除菌後)
STEP. 5 除菌完了
除菌判定について90%以上の方が、一度目の治療(1次除菌)で除菌されますが、
不成功であった場合は、2次除菌を行います(成功率97%)。
必ず、除菌完了を確認しましょう。
除菌治療後のフォローアップ
除菌に成功したからといって、胃がんなどの病気にならないわけではありません。
ピロリ菌に感染している期間が長いと、胃の粘膜が正常に戻るのに時間がかかるからです。除菌後も定期的に内視鏡検査などを受け、胃の状態を確認しましょう。
ご注意
便秘症や下痢症には様々な原因があります。時には大腸がんや炎症性腸疾患など重大な病気が隠れていることがありますので、がん検診や大腸内視鏡検査を忘れてはいけません。
便秘症
排便の間隔や排便の回数は、年齢や体調などで個人差があります。
過度に排便の量やトイレの回数にこだわり、ストレスを感じるのは良くありません。
まずは、ちょうどよい硬さの排便を目指しましょう。
回数・間隔よりも便の状態(ブリストルスケール)に注意しましょう。
STEP.1 食環境と生活習慣を見直す
食習慣の見直し
- 3食をしっかり(特に朝食は大切です)
- 適度な水分をとる
- 食物繊維は小さく、やわらかくして摂取
- ヨーグルト・味噌などの「プロバイオティクス食品」を食べる
- 適度な油分(オリーブオイル)を摂取
生活習慣の見直し
- 生活リズムを規則正しく
- 睡眠時間を十分に
- 便意は我慢しないこと
- 運動、特に歩くことが大切です
STEP.2 お薬による治療
市販の便秘薬を常用し、悪化させてしまう方も少なくありません。
便秘のタイプを診断し、症状にあったお薬を処方いたします。便秘薬の種類
- 腸を動きを活発にして、排便を促すお薬
- 腸内の水分を保ち、便をやわらかくするお薬
過敏性腸症候群(IBS)
腸にあきらかな異常が認められないのに、精神的ストレスを受けるとおなかの痛みや不快感を伴う下痢や便秘などの排便異常が起こり、良くなったり悪くなったりを繰り返すことをいいます。
ご注意
ローマⅢ診断基準
最近3ヵ月の間に、月に3日以上にわたってお腹の痛みや不快感が繰り返し起こり、 下記の2項目以上の特徴を示す。
- 排便によって症状がやわらぐ
- 症状とともに排便の回数が変わる(増えたり減ったりする)
- 症状とともに便の形状(外観)が変わる
(柔らかくなったり硬くなったりする)
過敏性腸症候群の治療
STEP.1 食環境と生活習慣を見直す
- 睡眠、休養を十分にとりましょう。
- 3食を規則的にとり、暴飲暴食、アルコール、高脂肪の食べものは控えましょう。
STEP.2 お薬による治療
- ビフィズス菌や乳酸菌などの製剤
- 下痢型IBS:過剰なセロトニンを抑えるお薬
- 便秘型IBS:腸液の分泌を促進するお薬
- 漢方治療
炎症性腸疾患(IBD)とは
潰瘍性大腸炎、クローン病などの総称で、よくIBDと言われます。
近年増加傾向で、10代~20代の若年層に好発します。
IBDは、腸に慢性的に潰瘍(かいよう)などの炎症が生じ、下痢、血便、腹痛などの症状を示します。原因はまだ不明ですが、免疫機能の異常、遺伝、食物、腸内細菌などが関連しているのではないかと考えられています。
詳しくは下記サイトをご覧ください。
当クリニックのIBD治療
治療方針
基本的には、全国のIBD専門医の意見でまとめられた、最新の厚生労働省のガイドラインに則った、安全性と治療効果が確かめられた治療を行います。
お薬による治療
基本治療薬ののメサラジンから、免疫調整剤、CAP療法、生物学的製剤を用いた治療を行うことができます。
メサラジン不耐症に対しては、脱感作療法により高い治療効果が期待できます。
入院が必要な場合の紹介先について
もし、病勢がコントロールできず入院治療が必要と判断した場合でも、しっかりとした連携のもと各高次医療機関のIBD専門医へ直接ご紹介することが可能です。
胃や大腸などのポリープ・がん
がんは、今のところ完全に予防することはできませんが、
病期(ステージ)が早期であればあるほど、治癒できる可能性が高くなる病気です。
がんの多くは無症状ですので、定期的にがん検診を受けるか、
下記の「内視鏡きっかけシート」などを利用したりして、思い当たる症状がないか自己診断してみましょう。
沖縄県の人口あたりの「大腸がん」発症率は、全国でもトップレベルです。
ただし、多くの場合「大腸がん」は予防が可能ですので、まずは一度、大腸内視鏡検査をお受けされることをおすすめします。
内視鏡きっかけシート
思い当たることがありませんか?
- 胸痛、胸やけ、慢性的に咳がでる。
- 食べ物がつかえる感じがする。
- 腹部膨満や上腹部痛がある。
- 便が黒っぽい。
- ピロリ菌を調べたことがない。
- 胃潰瘍の既往がある。
- 飲酒や喫煙が多い方だ(昔、多かった)。
- 短期間で体重が減少した。
- 消化器がん(食道、胃、大腸など)の家族歴がある。
1つでも思い当たることがあれば
をおすすめします
- 排便時に出血があった。
- 検便の検査で陽性と判定された。
- 便秘や下痢に悩んでいる。
- 便が細くなった。
- 腹部膨満、腹痛がある。
- 大腸ポリープを指摘されたことがある。
- 赤身の肉やお酒が好きだ。肥満気味である。
- 短期間で体重が減少した。
- 消化器がん(食道、胃、大腸など)の家族歴がある。
1つでも思い当たることがあれば
をおすすめします
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※現在、発熱および新型コロナ感染症関連の対応は行っておりません。ご了承ください。